神恩のヘルへヴン
先生は話を続ける。

「友達に自分がファントムであることを隠しているやつも沢山いることは分かってる」

風で舞った長い髪の毛を片手で後ろに払い、生徒に向き直る。


「でも、友達にもいつまでも隠し通せるものでもないだろう。それに、今の社会では身分証明書に自分の種族を書かなきゃいけない。」

「幸い、どんどんと差別意識も薄まってきてはいるしな。」


そこまで言い終えると目を閉じてうつむき加減になり、眼鏡を面倒くさそうに上げて、腕を組み始めた。

「結局は何が言いたいのかというとね、もうファントムの皆は人間相手じゃ練習にならないんだ」
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