サヨナラからはじめよう
「どうしたの?」
彼らしくないしぐさに思わず眉間に皺が寄る。
「・・・・今日は涼子さんは行かないんですか?」
「え?」
何のことか一瞬わからずにいたが、午前中菜摘が来たことを思い出す。
同期会のことだろう。彼女は他のメンバーに声をかけると言っていた。
中村君にも話がいったに違いない。
「うん。今日はそのまま帰るから。それに病み上がりだし、あと少しだけは大人しくしとく」
「・・・・そうですか。わかりました」
「中村君?どうかしたの?」
「あ、いえ。じゃあ頑張って来てくださいね」
「・・・ありがと。じゃあ今度こそ行ってきます」
そう言って彼に見送られながら会社を後にした。
この前から中村君がどこかおかしい。
いつも自信に溢れていて竹を割ったような性格の彼が、
何か言いたいことを腹に含んで我慢しているような、そんなことが多くなった。
・・・多分司のことが気になっているんだろう。
でも今そのことについて彼に何かを話すことはないし、そんな余裕もない。
まずは全てに区切りをつけてからの話だ。
「今日は色々気合いを入れないと」
自分を鼓舞するように力を入れると目的地へと一歩踏み出した。
彼らしくないしぐさに思わず眉間に皺が寄る。
「・・・・今日は涼子さんは行かないんですか?」
「え?」
何のことか一瞬わからずにいたが、午前中菜摘が来たことを思い出す。
同期会のことだろう。彼女は他のメンバーに声をかけると言っていた。
中村君にも話がいったに違いない。
「うん。今日はそのまま帰るから。それに病み上がりだし、あと少しだけは大人しくしとく」
「・・・・そうですか。わかりました」
「中村君?どうかしたの?」
「あ、いえ。じゃあ頑張って来てくださいね」
「・・・ありがと。じゃあ今度こそ行ってきます」
そう言って彼に見送られながら会社を後にした。
この前から中村君がどこかおかしい。
いつも自信に溢れていて竹を割ったような性格の彼が、
何か言いたいことを腹に含んで我慢しているような、そんなことが多くなった。
・・・多分司のことが気になっているんだろう。
でも今そのことについて彼に何かを話すことはないし、そんな余裕もない。
まずは全てに区切りをつけてからの話だ。
「今日は色々気合いを入れないと」
自分を鼓舞するように力を入れると目的地へと一歩踏み出した。