サヨナラからはじめよう
「ほ~んと、涼子さんっていちいち反応がカワイイですよね」

「ちょっと、それ褒めてないでしょ」

「いえ、そんなことありませんよ?」

言いながらクスクス笑うこの男は本当に生意気だ。
そしてそんな後輩に常に振り回されっぱなしの私。


三国涼子 27歳

大学卒業後、ずっと好きだったインテリア関連の企業に就職。
やりがいを感じながら日々奮闘中。
最近では後輩の指導をすることも増えてきた。
この男もそのうちの一人だ。

中村蒼太 23歳

昨年入ってきたまだまだひよっこの男に、毎日いいようにいじられている。
これがまた極上にいい男だからどうしようもない。
誰がどう見てもイケメンな上に仕事もできる。
将来エリートコース間違いなしの有望株だ。

こんないい男、なかなかお目に掛かることもないだろう。
先輩風を吹かせたいところだけど、
わずか一年の間にその差はほとんどないに等しいほどになっている。
仕事もできるが弁も立つ。
悔しいけれど言いくるめられることも少なくない。
こやつ一体何者?!
< 17 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop