サヨナラからはじめよう








「・・・・・っ、もう、ムリっ・・・・!」

そう言って逃げようとする私の体に大きな体が覆い被さる。
あっという間に捉えられて再びその体は翻弄されていく。

「まだだよ・・・・・まだまだ、全然足りないっ・・・・・!」

「う、うそ・・・・っあ、あぁっ・・・・・!」




あれから、司の想いの全てを受け止めた。
彼は優しく、優しく、まるで真綿で包むように抱いてくれた。
あり得ない!って思ってたはずなのに、その想いに涙が止まらなかった。


幸せを感じた。


でも彼はそれだけでは止まらなかった。
久しぶりの行為にぐったりする私の体を再び愛し始めた。
今度は激しく。

何度も何度もそれは繰り返され、もう幾度目なのかもわからない。
気が付けば明るかった空は漆黒の闇になっていて、
家に帰らなければという言葉も全て呑み込まれて。
そして今もまた彼の熱情に全てを奪われていく。


激しくて、熱くて、そしてこの上なく優しく動く唇に、手に、
彼の全てに呑み込まれていく。


真っ白に溺れていく________




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