サヨナラからはじめよう
「カナとはできてなんで俺とはできないんだよ?!ほらっ、消毒するぞ」

「さっきのは不可抗力だから!ってカナさんっ、何やってるんですかっ!もとはと言えばカナさんのせいですよ!ちょっと、助けてくださいよっ!」

いつの間にか目の前にいたはずのカナさんはカウンターへと移動していて。
マスターや他のお店の人達と楽しそうにこちらを見ていた。

「あ~、バカップルってやってらんないわ。・・・でも、涼子ちゃんの唇、柔らかくて気持ちよかったぁ」

「後で司に殺されても知らないぞ」

「いいのよ~これくらい。少しはあいつもヤキモキを味わえばいいのよ。涼子ちゃんに苦労させてるんだから」

「お前だけは敵に回したくないねぇ」

「うふふっ、味方にしておくと心強いわよ~」


カナさんたちがそんな会話をしているなんてことは露知らず。


「だ、ダメだったら!司っ!ちょ、ちょっ・・・・んんっ!!」

必死の抵抗も虚しく。
あっけなく私の体は司の腕の中へと捕まってしまった。
首が反り返るほど激しくキスを奪われて。

っていうかカナさんにこんなに激しいのなんてされてないからっ!!

なんて心の叫びが通じるはずもなく、
それからはいつものように司の気が済むまで翻弄され続けた。
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