サヨナラからはじめよう
飲むと決まれば気持ちは軽い。
さっきまで胸に渦巻いていたイライラも忘れて今日は思いっきり飲もう！

遅くなるなんて一言も言ってこなかったけど･･･
急に決まったことだし、別に報告する義務もない。
あいつは居候させてもらってる立場なんだから。
そうだ、私が気にする必要なんてないんだ。

自分を納得させて残りの業務に取りかかった。




「中村君、どこがいい？今日は好きな所連れてってあげるよ」

一日の仕事を終えると、今日は早々に中村君と会社を後にした。

「どこでも嬉しいですけど･･･そうですね、じゃあこの前の所はどうですか？」

「『すず吉』のこと？よし、じゃあそこに決まり」

洒落っ気の欠片もない名前だが、ここは最近お気に入りの創作居酒屋だ。
居酒屋といっても今時の造りで実際にはとてもオシャレな隠れ家的お店で、
何よりも創作料理は頬が落ちるほどどれも絶品ばかり。
飲まずとも食事だけにでも来たいほどのところだったりする。

場所が決まるとますます足取りは軽くなった。
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