サヨナラからはじめよう
それから結局司はビールを、
私は昨日のこともあるから軽いカクテル一杯だけにした。


三年前に一方的に完全断絶した彼との関係。

それが今こうやって一緒に酒を酌み交わしてるなんて、
一体どんな数奇な巡り合わせなのだろうか。


なんだかんだで、彼との時間は穏やかで居心地がいい。
女癖の悪さを除けば、
本当に優しくて思いやりがあって、
最高の相手だった。

でもその唯一にして最大の欠点がどうしても許せなかった。


･･･彼はあれから三年どうしていたのだろうか。

三年前、一方的に別れた自分と違い、
彼は最後の最後まで嫌だと言って譲らなかった。
何度も何度も話し合いを持ちかけてきた。
頼むから話を聞いて欲しいと。

でも、どんなに話し合いをしたところで彼が変わらなければ意味がない。
いや、変わったところでどうにもならなかっただろう。


完全に私が冷めてしまっていた。
彼を信じることなどもうできなかった。
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