サヨナラからはじめよう
「じゃあ早速行きましょうか」

「うん」

二人並んで近くの映画館へと歩き出す。
歩きながらふとショーウインドウに映る二人が見えた。

こうして見ると中村君ってやっぱりイケメンだなぁ・・・
背は高いし顔は文句なし、おまけに仕事までできるときたもんだ。
そういえば私服を見るのは初めてだけど、
チャラチャラ浮いた感じはなく凄く落ち着いていていい感じ。
年齢以上に大人びて見えるかも。

彼を狙ってる人がいたら私は抹殺されてしまうんじゃなかろうか。
それくらいハイスペックな男だと思う。

「ねぇ、今さらなんだけどさ、中村君って彼女いないの?」

「・・・はぁ?」

いきなりの質問に思わず彼の足が止まる。

「涼子さん何言ってるんですか?」

「いや、私なんかと並んでて大丈夫なのかなって急に思って・・・・」

しどろもどろに答える私に盛大な溜息をつく。

「いるわけないでしょう?いたらあなたを誘ったりしませんよ。それにこの前の俺の話聞いてなかったんですか?いい加減なことはもうしないって決めたんです」

「・・・だったよね。うん、ごめんごめん。なんか鏡に映る中村君がイケメン過ぎてびびっちゃった」
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