始まりの手紙、終わりの手紙。
青坂公園内にある赤いポストへ手紙をへ投函した時、

「あっ」

遅かった...

宛名は書いたのだが、差出人の名前を書いていないことをを思い出した。

致命的なミス。

「これじゃあ、誰から送られてきたのかわからないじゃないか...」

きっと相手も怪しむだろう。

近頃ストーカー事件が多くその被害の中でも脅迫文や、メールがよく使われている。

私の書いた文に脅迫するような事は一切ない。

差出人の名前がなくても手紙のやりとりをしていたし、今回は返事を書いたので相手もわかってくれるはずだ。

便箋も私の名前"鈴蘭"の便箋を使ったから気づいてくれる。きっと。

そもそも携帯で知らせれば良いのだが生憎相手のアドレスを知らない。

第一手紙ではなくメールでやりとりをすればよいという話。

相手のアドレスを知らないからこそ手紙でやり取りをしていて...

あぁもう考えれば考えるほど自分に腹が立つ。

「はぁ...」

公園内を歩きベンチに座り溜め息を漏らした。

相手に気を使わせるようなことをしてしまった。

こんな時は静かに眠りにつきたい。

だが私にはそんなことで時間を使っていることはできない。

学校ではもうすぐ定期試験も、体育祭の練習もある。

教師達は
「受験のためにがんばれよ、先生達も君たちが落ち着いて、時間に余裕が少しでもできるようにするから」
と言っていたが
なら試験と体育祭をずらすべきでは。





「「はぁ...」」






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