『…好きでした、それからごめんね。』

この時の私は行き場を失くした思いに衝撃を受けるよりも…

どうして私に迷惑だって直接言ってくれなかったの?

そんな身勝手なことを思い…

好きだと自覚したばかりの人を一瞬にしてデリカシーの欠落した配慮のない
人間だと認定したからなのか?

思っていたよりも動揺を見せることなく

「…うん、分かった…教えてくれてありがとう、

もう迷惑掛けないようにするから…じゃあね」と返事をして

直ぐにその場を立ち去った。

そんな私の顔を由美は唖然とした表情で見送った。

きっと私の態度があまりに淡々とし過ぎていて…

彼女にとって面白味に欠けた満足いくものでは無かったのかも知れない。

好きな人に迷惑だと思われてショックを受けない人なんて…いる訳ない。

私はその場で泣き崩れて

彼女を喜ばせるなんて事は、絶対にしたくなかっただけ…
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