『…好きでした、それからごめんね。』


上杉君は帽子を取って深くお辞儀をした。

「…すみません」

と詫びている彼は教室で見せる顔とは違って真剣な表情

あまりのギャップに呆然とする私には気が付かないのか?

ボールを受け取ると「ありがとう」と声を掛けてから走ってグランドに戻って行った…

その日から私は野球部が練習しているグランドに時々目を向けるようになる。

ある人の姿を探して…



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