天然ダイヤとイミテーション・ビューティー ~宝石王子とあたしの秘密~
 懸命な祈りが通じたのか、はたまた捻挫に良いと言われる良質なタンパク質の大量摂取に努めたのが幸いしたのか、捻挫は順調に回復していった。
 晃さんはとても喜んでくれて、めでたくふたりで会う予定を決めることができた。
 で、予定を決めたら決めたで、何を着ていこうかとか当日の天気はどうだろうとか、色々と考える。
 いっそ一着、新しく買っちゃおうかなぁ!
 財布は痛いけど、そんなことを考えられる自分がとても嬉しいんだ。

 晃さんからしょっちゅうかかってくる電話を、何よりの楽しみに待ち焦がれている。
 彼との電話の時間は楽しくて楽しくて、あっという間に過ぎていった。

『じゃあまた電話するよ。あのさ、聡美さん』
「はい? なんですか?」
『そろそろ俺に敬語じゃなく……いや、なんでもないんだ。おやすみ』
「……おやすみ、なさい」

 電話を切って、熱い溜め息を吐く。
 揺れ動く自分の気持ちがもどかしくて、疼く様に痛む。
 でもその痛みは、彼に囚われている証のようで心地良い。
 私はカレンダーを見ながら、指折り数えて彼とのデートの日を待った。
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