地球を守って!恋するヒーロー
「いちいち触るな。
真面目に訓練する気がないなら、出ていけ」



アシュリーの手を私の頭からはたき落とし、ブレットは後ろから私を抱き寄せた。



「この前、別の子にしてた時は怒らなかったのに。
ミナは、ブレットの特別なの?」


「......そんなんじゃない。
たまたま気づいたから、注意しただけだ」



......だよね。
私よりも任務優先するくらいだし。

私のこと、なんとも思ってないんだ。
分かっていたことだけど、少しだけショック。

ダメだな、私。
ショック受ける必要なんてないのに。


 
「ふーん。
じゃあ、その手は何?」



ふわりと微笑んで、アシュリーはしっかりと私を抱きしめていたブレットの手を指差す。



「......悪い」


「......ううん」



パッと手を離すブレットに、目をふせて私も一言だけ答える。

 
それ以降会話もなく、後にはシーンとした重たい空気だけが残る。



「......?」 



目も合わせない気まずい私たちを、不思議そうにアシュリーが見ていた。
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