地球を守って!恋するヒーロー
「美菜、よく見ておいて」



千明は地球との通信機に手を置き、暗証番号を押す。

すると、小さな隠しボタンが出てきた。


こんな仕掛けがあったなんて、知らなかった......。



「このボタンは何?」


「ヨーロッパのチームへの救助信号。
いざという時、俺たちのチームとヨーロッパはお互いに助けに行くという条約を結んでいる。

このことは俺とヨーロッパのリーダーしか知らない」


「そうなんだ」



千明とヨーロッパのリーダーしか知らないのに、私も知っちゃって大丈夫なの?

密約じゃないのかな。


少しだけ疑問に思っていると、千明は私をまっすぐに見つめる。



「このボタンを押せば、必ず助けにきてくれる。

もし、敵に通信機を奪われたりして、地球や仲間と連絡がとれなくなった場合。

ためらいなく、このボタンを押してほしい」



ためらいなく......?
なんだか、妙にひっかかる言い方。
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