海底の王国〈封印編〉
「久しぶりじゃの〜ルド…陛下はどちらかの〜?」

開口一番…その客は手を上げると、玉座の間で出迎えたルドに向かってたずねた。

「お久しぶりです、クメカ殿…お元気そうで何よりですね〜」

ルドは、玉座に三つ並んだクリスタルのイスから立ち上がり、階段を降りて客人の前に膝を着くと、その手を取った。

「ルドも元気そうじゃの〜相変わらず、腹黒そうで安心するの〜」

ほっほっほ…と愉快そうに、大きな体をゆらして笑った。

「クメカ殿も、さらに立派な甲らになられて〜」

そう言ってルドは、クメカの立派な背中の甲らをほめた。

「あ〜ちなみにフレイル陛下は、中央のイスに座っている男性で、グリーンの瞳の方ですよ〜」

ルドはふり向くと、呆然として二人のやり取りを…いや、一人と一頭のやり取りを見ている、フレイル陛下を指差した。

「ほっほっほ〜これは、お初目になります、フレイル陛下…私は、ウミガメのクメカと申します…以後、お見知りおき下され〜」

ほっほっほ〜とウミガメのクメカは、また笑った。
< 12 / 81 >

この作品をシェア

pagetop