海底の王国〈封印編〉
「…すみません、イースまで付き合わせてしまって…」

ロイズはイースの視線を受け流すと、バックの中に球体をしまった。

「サンゴの産卵など、めずらしくもなかろう…宮殿からでも見れるだろうに…」

「何でも、この七色サンゴの胞子は、レアな一品らしいですよ〜?」

ルドの口車に乗せられ、一緒につれて来られたイースは、先ほどから機嫌が悪かった。

「フレアが喜ぶなら、それでいい…」

「ふふふ…じゃあ、帰りましょうかね〜?そうだロイズ…それ私が明日、宮殿に持って行きましょうか〜?私の執務室に、取りに来るといいですよ〜」

ルドは、イースを夜の散歩につれ出せた事に満足して、上機嫌でそう申し出た。

「ありがとうございます…」

学校から宮殿に直行出来るよう、気を使ってくれたルドに感謝すると、ロイズは頭を下げた。


帰り際…辺りを見渡すと、ライトに照らされた胞子の粒が海の中に舞って、雪のように見えた…
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