海底の王国〈封印編〉
「はい、本に書かれています…能力者の両親が亡くなった時に、やさぐれて古本屋に売ってしまいましたが…」

「なんだと?!それは本当か?しかも出版物なのか?それ」

「は・はい!古代書は高く売れるので、生活のたしに!すみませんでした〜!!」

イースに殺されんばかりににらまれると、シアンは心の底から謝った。

「確かに、古代書は高く売れますものね〜」

ルドが、のんきに言った。

「きさま…何、悠長に同情してるんだ…」

イースはルドを鋭くにらみつけた。

「いえね〜イース…これが一子相伝の手書きの書だとしたら、お手上げですが…出版物でしたら、もしかしたら、うちの図書館にあるかもですよ〜?」

「本当ですか?!」

いち早く反応したのは、ラギとシアンだ。

「本のタイトルを、教えて頂けますか〜?」

ルドはシアンにたずねた。

「あ…すみません、忘れました…」

「じゃあ、内容とか、イラストで覚えているものがあれば〜…」

ルドの笑顔が、かすかに引きつる…

「そ、そうですね…う〜ん、封印に関して、いろいろ書かれていたような〜」

「当たり前だろ…お前やる気あるのか?」

イースが冷たい視線を、シアンに向けた。

「は・ははは…あ、そうだ!あと、セーユをひいている魔法士のイラストが、描かれていたような〜」

「よし!探すぞルド、フィル…古代書は最下層だったな」

イースは立ち上がると、二人に言った。

「分かりました…今夜は徹夜ですね〜フィル〜」

「はい…!」

陛下たちは、クメカとラギを玉座の間に残すと、宮殿の地下にある図書館に向かった。
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