気がつけばいつも、キミだけを。
『ありがとう、ごめんな』
「ううん、こちらこそありがとう」
溢れてくる涙を堪え、いつも通りの声を出そうとするけど、震えは止まらない。
落ち着け。
落ち着くんだ、私。
スーハーと何回も深呼吸をする。
『……木下はドジでよくこけるし、何回も頭ぶつけて本当に危なっかしいよな』
そこまで知り合って長いわけじゃないのに、遠い過去を思い出すかのようなトーン。
突然話し出してビックリしたけど、耳を傾ける。