秘密が始まっちゃいました。
私自身は、こんな日々も悪くない。

社内の雑用だって、立派な総務の仕事。社長のお使いだって喜んで。

そりゃ、三年前に年下男に捨てられてから浮いた話がないのは由々しいけれど、それほど恋愛熱心なタイプじゃない。
遊ぶなら女子同士が断然楽しいし、お一人様も楽しめる人間だから、日々の生活に寂しさもない。

来年30歳。
ま、そろそろ彼氏くらいは探そうと思ってる。

再来月に瑠璃と福谷の結婚式があるから、福谷の友人に期待だな~。

そんなことを考えながら、総務部に戻ると、4個下の後輩、結城真子(ゆうきまこ)が私に駆け寄ってくる。


「日冴先輩!荒神さんが!」

「またぁ?」


私はいつもの展開に眉をしかめる。
真子は困りきった顔で勢いよく言う。

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