秘密が始まっちゃいました。
「そーじゃないでしょ。俺たち二人が指名された理由は」


「第一販売課としてはお酒のバリエが豊富で、飲み放題がしっかりついてるところがいいんでしょう?それなら、そういうお店を探しますよ。一販課の30人と総務の12人が入れるお座敷のあるところ」


「だから、そうじゃないって」


荒神さんが真横から私を見下ろす。


「仲の悪い俺と望月が、一緒に決めたお店で、協力して仕切るのが懇親会の意味で象徴になるんじゃない?」


確かに。
今回の趣旨は「第一販売課と総務の関係性の改善」だ。

キヅキ電産において、営業部第一販売課は本社にあり、社内メインの部署と言っていい。
都内の顧客をすべて網羅し、地方営業所からも助けを求められれば飛んでいく。
社内エース部署だけに、多くの営業マンが一販課を目指し、憧れる。

そんな主戦力部隊は、多くの点で仕事優先。
社内活動が本文の総務の意向とぶつかることが多い。
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