秘密が始まっちゃいました。

私が否定する前に、荒神さんが二つのクリームコロッケの内ひとつを私のオムハヤシにのせてくれた。

ええー？いいんですか？
メインのひとつをいただいちゃって。

自分の豪華になったオムハヤシと、クリームコロッケがあとひとつと、チキンのソテーが残る彼のお皿を見比べる。
どころか、
「食後にケーキつけてもいいぞ」
なんて言い出す荒神さん。


「荒神さん……やっぱ変ですよ。なんなんですか？」


「何が？」


「こんなところまで、私を呼び出した理由ですよ。
昨日の件の相談かなと思ってたんですけど、なんか荒神さん、いつも通りだし！むしろ、親切だし！」


私は荒神さんの変な態度を責めた。
当の本人はやっぱりへらっとしている。


「いや、俺としては昨日の件の相談をするつもりでおまえを呼んだよ？」