10年越しの再会

again


「おは〜…」

『おぉ!おはよ。どしたん、やけに眠そうじゃないの〜っ』

綾さん、あなたはやけにテンション高いじゃないのー……っ。

「ばり眠い。もうダメ、寝る。」

智希と別れた日の夜、我ながら凄まじいテンションで全く眠れませんでした。
だから今、死ぬほど眠い。

『え?!ちょっと!なん寝よるん!起きろ、起きんかい!』

「………何?」

『あんたね、あたしのこのテンションの高さに何も感じないわけではあるまい。えぇ?』

あんたどこの人だよ。

「……なんでそげんテンション高いんでしょう、綾さん…」

まぁ、だいたい予想はつきますよ。
何かいい事でもあったんやろー?

『おほほほ!よくぞ聞いてくれたな、瑞希くん。』

だから、誰だよ。

『実はね、ムフフ…わたくし、へへへ…』

あーー……やばい。睡魔が…………

『って、おい!寝るな!寝るんじゃない!』

「……あい。」

『あたし、大雅くんと付き合うことになった。』

「…………そっかぁ」

付き合うことになったのかー
そりゃおめでたい
綾と大雅くんが……



ん?

綾と大雅くんが………付き合う?




「はっ?!なんて言った?!」

『やけんー、大雅くんが彼氏になりました』

「はぁぁぁぁぁぁぁあ?!いつの間にそげな事になっとるん!」

『ほら、野球の試合ん時瑞希先帰ったやん?あん時あたし大雅くんと一緒帰ったんよ。で、そん時告白された。』

あっ!な!る!ほ!ど!


「そっかぁぁあ!綾ぁ!よかったやんっ!」


『ん。瑞希のおかげでもあるけん、本当ありがと!』

そっかそっか!あたしが知らないとこでこんな事になっとったとは。朝からのテンションはこれだったのか。なんて可愛い奴だ、このやろう。


「幸せになりーね!」

幸せになって。


心からそう思った。

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