Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
同じ傷
翌日、まだ行ってなかった墓参りに向かった。


「なんで あたしまで…」

「いーじゃん、家族みたいなもんだし。
マユキの事も守ってくれるよーに頼んどくから!」


「なにそれ…

まったく」

照れくさそうにボヤいてる。



線香を立て、2人で手を合わせた。




「お盆にお墓参りって、初めて…」

合掌を終えて、呟くマユキ。


お盆にって…

「じゃあ、いつしてたんだ?」


「……命日」


命日?

「親のか?」


そっから沈黙。


気になりながらも、来た時と違う出入口を抜けようとした時…


「アレ…」

マユキの発した声に、その視線の先を見た。



あ…!


トモカズ!



トモカズは…

お墓の前に座り込み、目を閉じて合掌してた。



その姿は、凛々しくも切なげで…
アタシ達は思わず見入ってしまう…



不意に合掌を終えたトモカズが立ち上がろうと、勢いよくこっちを向いて…

バチッと目が合った!


< 161 / 316 >

この作品をシェア

pagetop