EXCAS
 ふと、世界に雑音が入る。
 彫刻は首を傾げた。
 いくもの単語が飛び交い、死人の怨念じみた呻きに恐怖を、感じた。

 怨念と言う発想からではない。
 その声が、どうして自分と同じなのかという事実故。

 ――何故、そんな事を、言う。

 疑問は恐怖。
 震えはなくとも、心臓が寒い。
 どうして戦場にいる者の名前を呼ぶ。

 知らないはずの、雑魚の名前を。

 知らないはずの、天使の名前を叫び続ける。

 それが、怖い。
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