マー君2(原作)
美代はがっかりしたように肩を下ろし、怠そうに机に寝そべった。一樹はそんな美代に体を向け、仕方なく真剣に話を聞くことにした。

それは、美代の含みのある言い方が少し気になったからだ。

「それで、何を話したんだ?」

「えーとね」

美代は顔だけ一樹に向け、眠たそうに話しだした。

「なんか、昨日、事件があったんだって。この近くで」

事件? 一樹は腕を組み、美代の話に耳を傾けた。

「その事件でね、人が殺されてね」

殺人? この近くで?

「その犯人が、あのマー君じゃあないかって、話でさ」

「ちょっと待てよ!」

「な、何よ急に」

一樹の声に美代が体を起こし驚く。しかし、それは一樹も同じだった。たった今美代が言ったのだ。

マー君、と。

昨夜調べていたあのマー君と。

一樹は平静を取り戻しつつ、美代に聞いた。

「マー君って--」

「ネット上の殺人鬼マー君、三年前に大事件を起こした本人であり、その性格は--」

「恭介、どうしたの?」

気付けば美代の後ろに恭介が立っていた。恭介がこっちの席に来るのは珍しい。いつも来るのは誠か七恵なのだが。
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