きらいだったはずなのに!

 ……なんてことだ。


 つまりさっきあたしが桐島さんに確認されたのは、そういうことだったらしい。


 よく聞いとけよ、あたし。


 でも、こうなったらしょうがないよね。


 話聞かないで返事したあたしが悪いんだし、ちゃんと掃除しよ。


「ん? ということは、週四日、桐島さんと部屋で2人きりってこと?」


 マジか―。


 イケメンとふたりきりなのは願ったり叶ったりなんだけど、不安だ。


 来週なんか永遠に来ないでくれ。


「そういえば……」


 さっき、あたしが返事をしたとき、この話をされたんだとして。


 なんで桐島さんは、あんなにびっくりした顔をしたんだろう。


 ……まさか、あたしみたいなバカとふたりきりになるのは嫌だったとか?


 それが思わず顔に出ちゃったとか?


 そうだとしたら、かなりショックだ。


 あたしバカだけど、バカは感染症じゃないから大丈夫なのに。


「ま、考えても仕方ないよね」


 なんとかなるでしょ。


 そう思っていたあたしの考えがとことん甘いこと。


 あの時『大丈夫』なんて迂闊な返事をしたこと。


 それに後悔することになるのは、桐島さんと初めてふたりきりになった瞬間だった。

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