きらいだったはずなのに!

 問題児って言っても勉強がとことんできないってだけで、ほかはなにも問題ないと思う。


 スカートはちょーっと短いかもしれないけど、ほかのみんなと変わらないくらいだし。


 髪も生まれつきの真っ黒ショートカットで染めてなんかいない。


 授業だって一応真面目に聞いてるんだよ?


 ただ、さっぱり理解不能だけど。


 友達だって多い方だし、問題を起こしたことなんかない……たぶん。


 だから、問題児扱いされるのはちょっと心外なんだよね。


 あたしがバカだってことは先生たちみんなが知ってるんだから、もーっとわかりやすく授業してくれてもいいと思うんだ。


 なんて文句を言ったとしたら、補習が増えること間違いなしだから黙っておいた。


 担任から渡された放課後補習の計画プリントを見てびっくり。


 これはなんということだろうか。


 月曜から金曜日まで、隙間なく毎日びっちりと予定が詰め込まれていた。


 これはいくらなんでも鬼すぎるんじゃない?


「ちょっと待ってセンセ。この計画ってありえなくないですか!?」


「ありえないのはお前の頭だ」


「あだっ!」


 痛い、痛い!


 学級日誌で頭叩かれた。


 体罰反対、ダメ、絶対!!


 あたしのバカさ加減がありえないのはわかってるけど、これはあたしに死ねって言ってるようなもんだよー。


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