きらいだったはずなのに！

　二年生になってのクラス替えでは、また悠斗と同じクラスになれた。


　席が離れていてもよく話しかけに行っていたし、悠斗もそうだった。


　それがすごく、嬉しかった。


　周りには秘密で付き合っていたけど、授業中にばれないようこっそりと目を合わせたり、一緒に帰ったりしていた。


　そんなやり取りを見た人が何人もいて、あたしたちの関係はいつの間にか知らない人はいないくらいに広まっていた。


　ことあるごとに冷やかされては、居心地悪い気分を味わって。


　からかわれるのがいやで、いつしか学校で悠斗と話さなくなっていた。


　一緒に帰ることもしなくなって、距離はどんどん離れて行った。


　でも、別れようなんて言葉はお互いに口には出してなかったし、あたしはそれでも悠斗が好きだったから。


　たとえ“付き合ってる”って言える状態じゃなくても、あたしは彼女だし別れたいなんて思ってなかった。


　だけど、中学生のお付き合いっていうのには、定番があって。


　そういうものだったって、今ならそう言えるけど。


　二年前、中学二年生だったあたしにはつらすぎることが、起こってしまった。