きらいだったはずなのに!

 勉強の方はといえば、指導時間は減ったけどいままでと違ってひとりで勉強するのが苦じゃなくなり、いつの間にか桐島さんがいなくてもしっかりと勉強に励むことができるようになっていた。


 予習と復習をしっかりしているから授業にもなんとかついていけてるし、基礎問題くらいならばきちんと理解できるようになった。


 桐島さんからは主に数学の応用と、苦手な英語を今は教えてもらっている。


 そして、悠斗のことだけど——。


「そういえば今日があの日だったわよね」


「うん、そう。今日の放課後ね」


 悠斗に連絡を取ったあの日から約一か月の時間が空いて、ついに今日は悠斗に会う日だったりする。


 九月中は悠斗の学校は実習があったり、あたしも連絡したはいいものの文化祭の準備があったりだったから、予定を合わせるのに手間取ってしまった。


 あたしがなにを話したいのか、悠斗はもしかしたら気付いているのかもしれない。


 会う日を決めてから今日まで、これまで頻繁にあった連絡はなくなったから。

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