ナツコイ


「瀬川さ…ヒマだからとか言ってだけど、彼女いるならそんなにヒマじゃないじゃん?」



「えっ?あー…でもサクラは進学校で塾が多いからな?男はヒマなわけよっ」



「あーそ…?同じ高校に行かなかったんだね?ノブくんと園田くんも一緒なのに…」



「サクラは頭がいいからな?親の勧めで仕方なく」



「そっか…?寂しくないの?」



「うーん…まぁ、中学よりはな?でも家も近いし」



「…そう」



家も…知ってるんだ?



彼氏だもん、当たり前か…。



「…愛原っ?」



「えっ?なに?」



「なんかあったのか?今日ボーッとしてたぞ?」


「…してないしっ」



「ははっ、出た強気」



「うるさいわねー」



「でも、愛原見てると面白いよっ」



「えっ…?」



「じゃぁ、また来週なー?」



リュウはそう言って自転車をこいで行った。





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