ナツコイ


するとハルキがユイの横顔を見つめながら、口を開く。



「その視線……」



「えっ?」



「……切なすぎる」



「……っ!」



ハルキの真剣な眼差しに、ユイは視線を逸らし、胸を抑える。



私の気持ち…。



園田くんに、バレてる…。



「愛原…おまえ…」



ハルキがそう言いかけた時。



「お待たせー」



明るい声でマリカが戻ってくる。



戻って来たマリカにユイはホッとする。



「ありがと、混んでた?」



「えぇ少し、あら?園田くんっ」



「おぅ…」



「いらっしゃったなら、もう一つ買ってきましょうか?」



「いーよ、自分で買ってくる」



そう言ってハルキは夏風へ向かった。





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