ナツコイ

「えっ？なにそれっ、家っ！？」



「いいじゃん、どうせおじさん達が帰って来るまで夕飯一人なんだろ？」



「そうだけど…」



「俺材料買って来るから、あと何人か誘って」



「うーん…でも急になんで？」



「なんで…って」



リュウはユイの顔を見る。



「ユイに元気になって欲しいからっ」



そう言ってニカッと笑ったリュウに、
ユイは思わずドキッとする。



「な？やろうぜ？」



「……うん」



「よしっ、決まり、ノブに言ってくるから」



リュウはそう言って裏に向かった。



また…やられた。



でも、リュウ…気づいてたんだ。



心配させちゃったなぁ。



でも。



“ ユイに元気になって欲しいからっ ”



やっぱり、嬉しいっ。



ユイは一人頬を緩めて笑った。