710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
分かってくれる人。
次の日。
今日もまた海聖にあの言葉を言われるのか。
そう思いながら家を出る。
玄関にはいつものように海聖が待っていた。
「…おはよう、繭歌。今日も……」
いつもの言葉を言いかけて止まった。
言わないから逆にびっくりした。
顔を上げると、眉をハの字にしてる海聖。
どうしたんだろう?
何か悲しいことがあったのかな?
「…か、海聖?どうし……」
海聖にどうしたのか聞こうと思ったら、いきなり肩を抱かれた。
ギュッと私の肩を抱く海聖の手に力が入る。
「…ちょっ、ちょっと海聖!?
は、離して「学校が見えたらやめるから」
私に有無を言わせない海聖の静かな声色。
分かるよ。
この言い方は言うことを聞けっていうことなんだよね?
こうなると海聖は私の言うことなんて聞いてくれない。
私は学校が見えるまで、海聖の体に身を預けることになった。