710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
ジッと私を見つめてくる、海聖。
すごく恥ずかしい。
「わ、私はもう大丈夫だから!海聖は授業に戻りなよ!」
「え、本当に大丈夫なの?」
海聖に聞かれて、頭痛いのを忘れて勢いよく頭を縦に振る。
海聖は心配そうに私を見ながらも、渋々立ち上がって私に背を向けた。
この時の私は何を思ったかは知らない。
逆に私が聞きたいくらい。
「………繭歌?」
私は無意識に海聖のズボンを掴んでいた。
な、何してんの?私。
自分で授業に戻れって言っといて引き止めるとか、タチ悪すぎでしょ。
「え、あ、ごめん!手が勝手に!気にしないでいいから!」
アハハと苦笑い。
ほんと何してんの、私。