《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
病室に着くと英美の姿はなく、荷物だけが残されていた。

心配になったのは、弘樹ではなく愛美だった。

「ママは?

どこいったん?」

英美と離れているから病室に来れば、英美に会えるとわかった愛美。

だが、英美の姿がなく、英美を恋しがる愛美。

瞳には涙をためて、哀しげな目で弘樹を見つめる。

「すぐ戻ってくるからな…」

愛美を抱き、慰めていると突然、愛美の顔が明るくなった。

弘樹を通り越して帰ってきた英美の姿を見つけたのだ。

愛美は抱っこされているのを下りて、英美に向かって走りだした。
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