《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
英美も英美なりに弘樹のことを思い愛していた。

愛美のことも、誠人のことも、心の底から愛していた。

そして、お腹にいる子も愛していた。



検査結果が出る当日―――

英美はいつもより早く、太陽がまだ目覚めてない時間に目が覚めてしまった。

気にしないようにしていても、体は正直で、今日が闘いの幕開けになること知っていた。

まだ暗く寒い外に出た英美は両手を広げ、体一杯で息を吸い込んだ。

朝の冷たい空気を体中に入れる。

清々しい気持ちが英美を包む。
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