《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
夢咲が生まれて半年―――

二つの季節が過ぎ、三つ目の季節が来た。

息を吐けば白い息が出る。

英美はまだ退院を許されないでいた。

余命宣告は三ヶ月だったが、英美はその二倍生きている。

体調は安定しているものの癌が治った訳ではない。

着実に…

そして、確実に体を蝕んでいる。

英美はそんな様子など一切見せず、辛くても笑顔を見せていた。

それが英美が出来る唯一の母親としての役割。

どんなに子供を思っても、一週間に一度しか会えない。
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