《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
喜びで顔が弛む。

だが、すぐに我に返り弘樹との結婚話に頭を悩ませた。

喜びを顕にしたいが、不安が波のように襲ってくる。

「英美、何してるの?
早くいらっしゃい。」

母親が急かすように何度も英美を呼ぶ。

「すぐ行きます。」

返事をした英美は急いで階段を下りた。

電話の前で、大きく深呼吸をして受話器を持った。

「も…もしもし?」

英美は初めて会った時よりも、緊張していて声が震えている。

「日曜日、正午に迎えに行くから準備しといて…

ツーツーツー…」
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