冷たい彼は旦那さま


「……仕事で忙しいんだ。そんなことで連絡しないでくれる?」


違う。ホントはそんなこと思ってもない。


怒ったような俺の口調。まるで遥を攻めているようにも聞こえる声の低さ。


自分でも、こんな低い声だったかと考え程だ。


『……ごめんなさい』


微かに震える遥の声。きっと、泣きそうなところをぐっと堪えてる。


「勝手にして良いから」


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