冷たい彼は旦那さま


私はリビングには戻らず自分の部屋に戻った。


シーンと静かな自室。


翼さんがあんなふうに笑うなんて知らなかった。



私には翼さんをあんなに笑わせることなんて出来ないのに、サツキさんは簡単に笑わせられるんだ。


私の知らない翼さんがいて、その知らない翼さんをサツキさんが知っている。


私には出来ないことが簡単に出来るサツキさんが純粋に羨ましい。


その日私には知らない二人の関係性が、私の胸に痛いほど突き刺さったままだった。


< 137 / 427 >

この作品をシェア

pagetop