冷たい彼は旦那さま
「もし、好きだと言ったら翼さんは…どうするんですか?」
私の言葉に、翼さんは笑った。
消えてしまいそうな笑顔だった。
「この家を出ていく。遥の邪魔にならないところで、過ごす」
「………」
泣きそうになった。
翼さんはいつもと他人の事ばかり。
一番分かってほしいことは、分かってくれない。
「これも、出してなかったし」
そう言って取り出したのは、婚姻届。
前、自分の名前書いて翼さんに渡した。
ずっと、夫婦だと思っていたのに。