冷たい彼は旦那さま
「キスはお預けしとこうかな。今キスしたら遥が熱中症になっちゃうかもだし」
唇にではなく、額へとキスをする翼さん。
どこか残念に思ってる自分がいた。
「ほんと、可愛い」
余裕そうな翼さんは、何だか大人に感じる。
私には余裕なんてないから羨ましい。
「あ、そう言えば」
「?」
部屋を出ていこうとする翼さんが思い出したように振り返った。
「遥は何でも似合うと思うよ」
「………はいっ」
ほら、やっぱり。翼さんには勝てる気がしないんだ。