おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
私は昔、だいぶひねくれた子だった。



一人でいるのは寂しいくせに、友達を自分から作ろうとしない。


友達はいても、なんだかその場しのぎ。
表面だけで仲良しして、自分をつくって。


私は、自分をコロコロ変えながら生きていた。



壁をつくっておけば、傷つかない。
壁をつくっておけば、誰もそれ以上踏み込んでこないから。



私だけじゃなくて、周りの子もそうだった。



一人でいたくはないから、誰かに合わせながら探り探り仲良くしてた。




そんな時だった。


花菜と出会ったのは。







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「あれ?確か、麻那さんだよね。○先輩の後輩の!」


「え?」



中学1年生の時、花菜とは部活の先輩同士が仲がよくて、顔見知りになった程度だった。


花菜のことは、よく見る子だ。

それくらいにしか感じてなかった。

私は人にそんなに興味をもつ方じゃないし、自分から声をかける子でもなかったから。





だから、帰り道も自転車通学なのもあっていつも一人。
別に…それが普通だった。




そんな私に花菜はごく普通に声をかけた。




「ね。一緒に帰ろう。」







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