夏恋ミラクル



混雑する前に早く出てきたから走って駅に向かうことができたけど、



雨はどんどん勢いを増してきて



髪や服が濡れてきて、暑い夏なのに少しずつ寒く感じてきた。



「もう少しで着くから頑張って」



と息切れしないであたしに声を掛けてくる七瀬くんに対して



あたしは息切れして、もう歩きたい気持ちでいっぱいだ。



だけど、七瀬くんにそう言われてしまったら……



「歩きたい」なんて言えるわけなく



「うん!」



とそれだけ答えたんだ。



< 8 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop