レディ・リズの冒険あるいは忠実なる執事の受難
「あなたの保証、信じられるのかしら」
「これは厳しい」

 肩をすくめたアンドレアスは苦笑いをする。

「そういうわけなのですよ、お嬢様。どういった理由でオルランド公爵のことをお調べになっているのですか? あの建物も正直なところ、お嬢様の興味を引くようなものとも思えませんが」

 口を開きかけたエリザベスは、そこでダスティの言葉を思い出した。深入りするな、危険になる、と。

「ありがとう、アンドレアス。この件については忘れてちょうだい。わたしが思っていたのと少し違ったみたい」
「——ですが、お嬢様」

 なおも続けようとするアンドレアスを、エリザベスは首を振ることで黙らせた。それから昼食を終えるまで、その件については一切触れようとはしなかった。
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