レディ・リズの冒険あるいは忠実なる執事の受難
「でも、後の二件は……」

『エブリー・ニュース』の切り抜きを貼り付けたノートをぱたりと閉じる。ここから先は、『デイリー・ゴシップ』にだけ掲載されていた記事だ。

 重病に冒された家族のために聖骨を入手した一家。聖骨の奇跡を信じてのことだったが、家族以外の人にまで奇跡を分け与えたくないと内密にしていたにも関わらず、盗難にあった。

 もう一件は、学者。研究のために入手した聖骨を所持していたが、入手の手段が非合法だったために内密にしていたらしい。

 学者の家からは、聖骨しか持ち出されていないから、他の品を盗みに入ったついでに一緒に盗まれたとは考えにくい。

 病気の家族のために聖骨を入手した一家にしても、病人の枕元に聖骨を飾っていたにも関わらず、枕元からその品だけ持ち去られている。

 どうやって聖骨があるという情報を入手したのだろう? 置かれている場所の見当も事前につけておかなかったら、こんなに手際よく盗むなんてできない気がする。
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