這い出ろ!サダ子さん
「んっ…しょっ!」

引っ掛かった腰辺りを強引に引き抜いて、テレビ画面の中から出て来ようとした女の子は。

「あっ」

画面の縁に足を引っ掛けて転んだ挙句に、オデコを床にぶつけた。

「いった…」

大丈夫か、呪いのビデオテープの女。

「で…お前なに…」

「はぁっ?」

赤く腫れた額を見せつけて、右目を前髪で隠した女の子は顔を上げる。

「君、貞子の事知らないのっ?呪いに来たんだよ!ていうか君の部屋きたない!また後で来るから、その時までに片付けておく事!わかったっ?」

…何様だ、お前…。

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