オレンジの片想い

知らない表情

_________キーンコーン...



2時間目終了のチャイムとともに、一斉にペンを置く音。"わからなかった"とか"結構できた"とか、いろんな声が飛び交う。



「静かに!一番後ろの席の人、答案用紙を回収してください」



後ろの席の子たちはそう言われて立ち上がり回収していく。その間にわたしは後ろを振り返って蒼真の席を見た。それに気づいた彼に口パクで「どうだった?」と訊いた。



その答えとして、蒼真は笑顔でピースサイン。よかった...。



先生が用紙を数え終わると、学級委員の号令の後みんなテストの話題で。問題用紙をたたんでいると、咲歩がわたしのところへ来た。



「ゆき、どうだった?」



「全部埋めたよ。合ってるかはわかんないけど」



「あたし理科で一問空けちゃってさあ。でも終わってから思い出しちゃって...」



「えっ!それ嫌なやつだよ...」



「ほんと...それなら忘れたままでよかった」



咲歩のはわたしも一度経験がある。後から気づいてしまった時といったらもう、ほんと力抜けるよ、あれは。



咲歩と話していると、すぐに担任が教室に入ってきて、席についた。



終わりの挨拶のあと、わたしは蒼真に話しかけた。



「蒼真!今日は....」



「ん?今日はテストで半日だから勉強できる教室ねえんじゃなかったか?」



.....あ。そういえばそうだった。



「....そっか。忘れてた」



「おう。1週間助かった。ありがとうな」



「いえいえ。わたしも一人で勉強するのは嫌になってくるからよかったよ」

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