白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
俺のなりたかった《俺》は、いついなくなったんだろう。
それとも最初からいなかったのか……。
「なあ、ふー。その……家が危なくなる前……理波ちゃんが生まれた頃は普通だったのか?」
「へ? 何でそんなこと?」
「いや、そうなら戻れる可能性もあるんじゃないか? ふーも理波ちゃんもすっごいいい名前もらってるじゃないか」
「あ、あー。そういう解釈か。違うんだよ、刹那。あの人たちは、ずっとああだった。
理波ちゃんの名前も、俺の名前も、理波ちゃんを育ててくれたのも、祖母なんだ」
「え――」