白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


でも、少しだけ普通じゃなかった家に生まれた俺は、少しだけ見える世界も違うんじゃないかと思った。
 



ここには心理学系の本だけではなく、いろんな分野の書物があるから、壱星に了解はもらって読ませてもらうことにした。



それを滝篠教授にも伝えると、「勿論構わないよ」と快く応じてくれた。




「家の方は片付けてきます。新しく住める場所が決まるまで、もう少しだけ御厄介になります」
 



教授に頭を下げた。



すると教授は顔をあげた俺に、すいっと顎で縁側を示した。




「壱星の学校での様子なんぞ、聞かせてくれないか?」




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